【ドイツ】名門レバークーゼンで細貝萌が定位置を確保できた理由

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

「長い時間、試合の場に立つことができたのはポジティブだと思ってるけど、自分が最終的にやりたいポジションじゃないという難しさもありました。でも、どのポジションでもしっかりと自分のプレイをして、自分がピッチに立った時に結果を残せていた回数が多かったことはポジティブなことかな、と。信頼してもらってないとサイドバックでも使ってもらえないだろうし、もちろん中盤でも使ってもらえないと思う」

 試合に出場し、なおかつ勝利という結果を出すことで、初めて一定の満足が得られると言う。リーグ戦では第9節から連続で先発出場。その第9節ではバイエルン戦勝利に貢献し、その後のシャルケ戦でも右の攻撃の起点であるファルファンを封じてキッカー誌で「2」(1~6で最高点が1)という高い評価を得ている。

 そんな細貝に最大の賛辞を送るのが浦和時代からの、そして日本代表での同僚でもある長谷部誠だ。

「今季のリーグ戦は、バイエルンをドルトムントとレバークーゼンが追っていると思うんですけど、そのチームで彼はずっと試合に出ている。すごいな、と普通に思いますし、刺激にもなる。もうこれだけ日本人選手が海外に出ていたら、日本人選手という枠で話すことはちょっとナンセンスかなと思うところもあります。でも、それぞれの選手を見てみると、僕はハジ(細貝)がブンデスリーガで一番良いんじゃないかなと思います」

 ちなみに細貝はウィンターブレイクを返上。日本へはスポンサーのイベントのため1泊2日で帰国するが、それ以外はドイツで治療とトレーニングに当てるのだと言う。外見からは想像できないストイックさが彼の今季の躍進を支えているのは間違いない。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る