【ドイツ】「普通よりちょっと下」。内田篤人が今季前半を振り返る (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●撮影 photo by Kenzo Koba

 時とともに内田は調子を挙げ、指揮官の信頼を勝ち取ることになる。第7節からは5試合連続で先発出場。第12節、11月3日のホッフェンハイム戦では念願のブンデス初ゴールをあげる。こぼれ球を押し込んだ形のゴールだが、「あれ、ださくなかった?」という名言(迷言?)とともに、記憶に残るものとなった。
 
 気になるのは、昨季も負傷した右もも裏を今季も2度、負傷していることだ。最初は11月6日のアーセナル戦、2度目は12月15日のフライブルク戦。負傷について内田は多くを語らないが、部位は多少ずれているとのことで、来年の過密日程を考えてもここで完治させておきたいはずだ。

 もうひとつ、チームの状況も気になるところ。序盤戦は快進撃を続けたが、第12節でレバークーゼンに敗れると、その後は第17節まで一勝もあげることができなかった。当初は優勝も目標に掲げていたチームが、7位で折り返すことになったのだ。

 17節終了後にはステフェンス監督が解任。U-17を率いていたケラー氏を新監督に迎えて臨んだDFB杯3回戦も、ホームでマインツに敗れている。そのマインツ戦を見る限り、ケラー新監督がステフェンス前監督のチームを大きく変えるわけではなさそうだ。メンバーにも戦術にも劇的な変化は見られなかった。また、この日の戦いぶりを見る限り、モチベーターとして短期的にチームをまとめあげるタイプにも見えない。

 この試合を欠場した内田は「そう簡単にチームは良くなるわけじゃない。時間はかかると思う。でもリーグ戦はまだまだある」と語っている。

 内田にとってもチームにとっても、このタイミングでブレイクを迎えられるのはむしろ好都合だろう。後半戦の巻き返しに期待したい。

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