【ドイツ】宇佐美貴史と細貝萌。苦境の中でもブンデス2季目の力強さ (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 だが、ホッフェンハイム戦は前日になって左SBでの先発出場が決定した。これでリーグ戦は5試合連続で先発出場となる。シーズン前にレンタル先のアウフスブルクから戻った細貝だが、レバークーゼンでのチャンスは必ずしも約束されたものではなかった。味方が負傷したという運にも助けられてはいるが、耐えながらチャンスをつかみ、与えられたポジションがたとえ本職でなくてもこなしていく力強さがある。

「左サイドバックでプレイする以上、少しでも高い位置をとることが自分の課題なのかなと思います」と、自分の求めるサイドバック像もできている。しかし、それはレバークーゼンで求められるものとは少し違うようだ。

「アウフスブルクにいるときは、もっといろいろなことをやらなきゃいけないかなと思ってプレイしていました。でも、レバークーゼンのような環境の中にいると、自分がひとつのことに集中することができれば、攻撃陣は攻撃陣で点を取ってくれる」

 もちろん役割をこなすことが第一ではあるが、守備だけで満足できるタイプでもない。言葉尻からは少々ジレンマを感じていることもうかがえた。とはいえ、残留争いから優勝争いへとプレイの場を移したことで、意識は大きく変わった。

「去年はどうにかして勝たなきゃいけない感じでしたけど、やっぱりこのチームは(当然のこととして)勝たなきゃいけない。今も決して良い順位にいるということではないし、上位陣を越えていけるようにやっていかなければ、と」 
 
 ブンデスで早くも2つ目のチームで戦う2人。共通するのは自分の道を自分で切り開こうとする力強さかもしれない。

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