【ドイツ】一変したボルフスブルク。長谷部誠が語るチームの充実ぶり (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

「まだ関係は良くなるというか、良くしていかなきゃという感覚。このチームはこれまでメンバーを固定しないでやってきたので、コンビネーションが上手くいかなかった部分があった。ここ5試合くらいはずっと同じ先発メンバーでやっているし、そういう意味ではここからもう少し上げていきたいな、と」

 また、チーム全体が90分間、走り切れるようになったことも、見た目の上での大きな変化だ。マガト時代には、ミスをしたらベンチをちらりと見てしまうような、恐怖にかられながらプレイすることが多かったという。実際に試合中に懲罰として交代させられることも、その後干されることもあったのだから致し方ない。

 先日、バイエルンのヘーネス会長が「マガトはレモンを絞るように選手を体力の限界まで絞り上げた」と、その采配を批判しているが、そのようなこともなくなったのだろう。生き生きと、それでいて献身的にチーム全体が動いている。アウェーでは、守るか蹴るかの2択だった頃のサッカーとはまるで違う。

 ホッフェンハイム戦は3-1の快勝。口火を切ったのは長谷部のヘディング弾だった。前半7分、中央から左に展開し、左サイドのオリッチがスピードに乗り、速いクロスをゴール前に入れる。ボールは中央の味方とDFの間を抜け、それを右サイドからゴール前に入っていた長谷部がフリーで合わせ、見事にネットを揺らした。リーグ戦では実に昨年8月以来のゴールだ。

「1年ぶりなんですか? 覚えてないくらいです(笑)。いわゆるごっつぁんゴールで、決めないと恥ずかしいです」と、嬉しそうに話し、照れくさいのか話題を逸らした。

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