【ドイツ】長谷部誠が語る、監督交代とボルフスブルクの変化

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

「(ケストナーは)やっぱりうまいですね、選手に自信を持たせるのが。思い切ってやった失敗に対しては何も言わないし。今季(マガト時代)、僕は外から見てましたけど、選手はびくびくプレイしているというか、ボールをもらいたがらないというか、一回ミスしたらベンチを見るというか、そういう雰囲気だった。そういうのが全くなくなった。モチベーションというか、自信を持たせてくれて送り出してくれます。もちろん怒ることもあるけれど、自信を持たせてくれる言葉が多い」

 負け続けるチームには確かに自信は感じられなかった。だが、今は明らかに違う。長谷部の言葉にも明るさがみなぎる。

「勝ち点だけみればヨーロッパカップ(チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグ)の出場権をとれる順位とそれほど離れているわけじゃないので、狙わなくちゃいけないと思います。まあ首位バイエルンは離れすぎていますけど。もうあと1、2勝して(順位の話は)言いたいところですね」
 
 表情は崩さない。でも、今はしっかりと前を見る事ができている。いつくるか分からないチャンスに備えるのではなく、手応えを持って前に進むことができる。この日の長谷部はそんな喜びに満ちているように見えた。

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