【ドイツ】長谷部誠が語る、監督交代とボルフスブルクの変化

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 つとめて冷静に話す様子は、2連勝したくらいで浮かれてはならないと思っているようにも見えた。

 マガトに代わって指揮を執るケストナーは、09~10シーズン終盤も監督の立場に就いている。長谷部は、当時共に戦った経験がこの2戦連続での先発出場につながっているという。

「一緒にやってなかったら出してもらってないと思う。それなりの信頼関係は以前に築いている」

 単純に監督交代にともなって先発出場の機会がまわってきたわけではない。あくまで信頼関係のおかげだと強く強調した。

「試合に出てない時、アマチュアに1週間に何回か練習に行った時もしっかり見ていたと言ってくれた。『しっかり練習をやっているのを自分は見てる』と言ってくれた。そういうのは大事だと思う」

 先が見えない中、備えてきたことへの自負心のようなものと、それを見ていてくれたことへの感謝を口にした。

 かつてマガトがシャルケを去った際、内田篤人は「みんなこんなに笑うんだって思った」と話していたことがある。いかにマガトが圧力をかけてチームを指揮していたか、そして彼が去ると選手がいかに開放感を感じているかが伝わる、内田らしいユーモアのあるコメントだった。一方で、今回の監督交代に関しての長谷部のコメントもまた彼らしい。

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