【イングランド】香川真司に厳しい現実。「本当はスタメン予定ではなかった」 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

 だが、ファーガソンもマンUというチームも、香川が波に乗るのを待ってはくれない。毎試合、結果を求めていかなくてはならない。それでもルーニーのような、最終ラインにまで戻ってゴール前でシュートを防ぎ、その次の瞬間にはベンチ前で指揮官の指示を聞き、その後は何食わぬ顔で相手ゴール前でチャンスを作るような選手を見ていると、香川には逆にまだまだできることが多いように思う。

 メンバーも多いが試合数も多く、全てのタイトルが欲しいというチームにあって、今後も香川にチャンスは回ってくることは間違いない。実質的には2試合で先発から外れたとしても、他の選手の状態がそこまで良いというわけでもない。結局はファン・ペルシーとルーニーの2人でチャンスを作っており、この日の3得点も、セットプレイからと偶然の産物(シュート性のクロスが入ったもの)だ。クレバリーも、香川に代わって出場したバレンシアも、さほど突出したプレイは見せていない。

 とりあえず、代表の欧州遠征はリフレッシュする好機である。

「代表は代表で、フランス、ブラジルと最高の相手なので、ああいう強豪とアウェーでどこまでできるのかは僕自身もすごい楽しみです。一日一日が大事だと思ってるので、切り替えて頑張っていきたいです」

 ゆっくりと、じっくりと、マンチェスター・ユナイテッドというチームに馴染んでいくしかない。


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