【ドイツ】先制ゴールの宇佐美貴史、「実は正夢を見たんです」 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

 ミーティングでは逐一、守備についての指摘がなされ、試合翌日などは映像で問題のシーンをピックアップしながら分析をするのだと言う。宇佐美は、「守備をさぼり、その問題のシーンにピックアップされたこともある」と苦笑いする。

「今日は守備、がんばりました(笑)。先入観で、あまり守備をしないと思われるんですけど、結構、守備もがんばってるんですよ」と、胸を張った。同時に、この日はその守備で岡崎を負傷させ交代に追い込んだことに表情を曇らせた。

「ボールに行ったんだけど、勢いで足を巻き込んでしまった。オレが怪我をさせて良い人じゃないのに……」
 
 2-0で迎えた58分、3点目が入った。ショートカウンターで、左サイドをジョセルが突破、中央に宇佐美は走り込む。クロスがこぼれてきたところにダイレクトボレーを放つ。強烈なシュートはGKに弾かれるが、ジョセルが詰めて押し込んだ。
 
「ループで浮かそうかと思ったんですけど、距離もあって、ちょっと難しいかなと思って。枠に入れれば、何とかなるやろうと思っていた」

 判断のわかれるところだが、キッカー誌はこのプレイを宇佐美のアシストとした。「あれ、アシストっすよ。だってうれしかったですもん」と茶目っ気たっぷりに話す宇佐美は、とにかく得点シーンにかかわることが大事なのだと真顔で付け加えた。

 ドイツに移籍して2年目。宇佐美にとって初めて、納得できたという感触を残せた日となった。ビルト紙は最高点の1を両チームで唯一宇佐美に与えた。宇佐美自身もチームも、どうやらこの会心の勝利で波に乗りそうな予感がする。

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