2012.09.15

【Wサッカー】W杯ヨーロッパ予選開幕。波乱の起きそうなカードは?

  • 神 誠●文 text by Jin Makoto
  • photo by AFLO

予選は2012年9月7日から2013年10月15日にかけて開催される予定 そんな番狂わせ目線で見ると、9月7日~11日にかけて行なわれたヨーロッパ予選の緒戦は、いたって穏やかな幕開けとなった。2010年南アフリカ大会で決勝を戦ったスペイン(グループI)とオランダ(グループD)は、ユーロ2012後にデル・ボスケ監督の継承路線と、ファン・ハール監督による刷新路線の違いはあれども、ともに無失点で勝利し(スペイン1-0グルジア、オランダ2-0トルコ)、無難なスタート。オランダはつづくハンガリー戦も、4-1で勝って自信を深めた。また、南アフリカ大会3位のドイツ(グループC)も、初戦は格下のフェロー諸島を相手に、ゲッツェ、エジルの2ゴールで3-0と快勝。第2戦もオーストリアに敵地で2-1と競り勝っている。

 実力国がおおむね勝ち点3を重ねる中で、やや不安な立ち上がりとなったのが、ユーロ2012準優勝のイタリア(グループB)だろうか。9月7日のブルガリア戦では、ケガやコンディション不良でカッサーノとバロテッリの2トップ、DFのキエッリーニを欠き、プランデッリ監督はオプションである3-5-2の布陣を選択。前線には、ジョビンコとオスバルドの急造コンビを送り込んだ。

 不安要素が少なくない中での初戦、しかもアウェイゲーム。ホームで勢いづくブルガリアの激しいプレスにさらされたイタリアは、パスワークを寸断されて自分たちのペースをつかめず、前半30分にはブルガリアのマノレフのミドルシュートで先制を許す。これで目を覚ましたイタリアは、オスバルドの代表初ゴールを含む2得点で一度は逆転したものの、後半再びブルガリアに同点とされ、終盤にはデ・ロッシの負傷退場による数的不利もあり引き分けに終わった。

 イタリアにとって幸いだったのは、グループBのライバルと目されるデンマークとチェコの一戦がスコアレスのドローに終わり、初戦のつまずきを最小限に留められたことだろう。9月11日に行なわれたマルタ戦では、勝って当然の相手ながら2-0と結果を残し、イタリアは下位に低迷する危機を逃れた。しかし、相次ぐ主力の故障や、ユーロ2012決勝の敗戦で損なわれた自信の回復は容易ではなく、オスバルドのような新戦力の台頭がなければ、ユーロ以上の上積みは期待できないと囁(ささや)かれている。1958年スウェーデン大会での唯一の予選落ちを最後に、13大会連続で本大会出場を果たしているイタリアの予選敗退は考えづらいが、「サッカーに絶対はない」ことも、また歴史の示すところだ。