【イングランド】リバプールの逆襲が始まるこれだけの理由 (4ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki
  • photo by GettyImages

 ロジャーズはこの夏、21歳のイタリア人FWファビオ・ボリーニをローマから、22歳のMFジョー・アレンをスウォンジーから獲得した。補強するのに最高の選手は20代初めの若手だから、悪くない選択ではある(FWの選手のピークは実に24歳だという)。しかし引っかかるのは、ボリーニもアレンもロジャーズが率いていたスウォンジーでプレイしていたということだ。

 選手は世界中から連れてこられるのに、たまたま自分と同じクラブにいた選手を選んでいることは気がかりではある。ロジャーズが師と仰ぐジョゼ・モウリーニョが語ったように、知っている選手としか契約しないのはプロとは言えない。監督が忠誠心を重く考えすぎていること、そして他の選手をよく知らないということの証拠であるからだ。

 それでも過去数年の情けないシーズンの後で、もうリバプールは上に行くしかないだろう。もちろんリーグ優勝はできない(賭けるならマンチェスター・シティにしておこう)。しかし選手年俸の総額から判断すれば、アーセナルより上の4位にはなれるはずだ。

 前述のようにアーセン・ベンゲルはキャリアを通じて、予測できるものより上の成績をあげている。リバプールはそれと同じくらいの期間、予測できるものより下の成績に終わっている。

 しかし、すぐには信じがたいかもしれないが、それも永遠に続くわけではない。


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