【イングランド】なぜリバプールの成績はここまで悲惨なのか (2ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki
  • photo by GettyImages

 選手年俸の総額とリーグ順位の相関関係は、1シーズンだけを見ると約70%にとどまる。しかし連続した10シーズンを見れば、90%を超える相関関係がある。だとすれば、今シーズンの結果を予測するために僕たちがやるべきなのは、細かい話はいっさい無視して、選手年俸の額を確認することだろう。シマンスキーによれば、最新の正確な数字である2010~11シーズンの年俸総額は以下のようになる。

1 チェルシー 1億9100万ポンド(当時のレートで約252億円)
2 マンチェスター・シティ 1億7400万ポンド
3 マンチェスター・ユナイテッド 1億5300万ポンド
4 リバプール 1億3500万ポンド
5 アーセナル 1億2400万ポンド
6 アストン・ビラ 9500万ポンド
7 トットナム 9100万ポンド
8 サンダーランド 6100万ポンド
9 エバートン 5800万ポンド
10 フルアム 5800万ポンド
11 ボルトン  5600万ポンド
12 ウェスト・ハム* 5600万ポンド
13 ニューカッスル 5400万ポンド
14 ブラックバーン 5000万ポンド
15 ストーク 4700万ポンド
16 ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン 4400万ポンド
17 バーミンガム* 4200万ポンド
18 ウィガン 4000万ポンド
19 ウォルバーハンプトン 3800万ポンド
20 ブラックプール*  2500万ポンド
(*のついた3クラブは、このシーズン後に降格)

 もちろんこのシーズン以降、状況はいくらか変わっている。翌2011~12シーズンはマンチェスター・シティの選手年俸がチェルシーを上回り、リーグ最高になっていただろう。売買した選手の顔ぶれから判断すると、おそらく2011~12シーズンにはリバプールの選手年俸が上がり、アストン・ビラやトットナムの年俸の順位は下がっている。

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