【イングランド】マンU主力組との初共演にも「違和感なかった」香川真司 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 香川は、前にルーニー(75分からはエルナンデス)、左にナニ、右にヤング(75分からはリンガード)という豪華な顔ぶれに囲まれる形でプレイしたが、臆するどころか、彼らの特徴を生かしながら、それぞれをつなぎ合わせる役目をうまくこなすことができていた。香川が言う。

「長年(一緒に)やっている選手が多いから、お互いのよさを発揮できるし、距離感もいい。だから、僕ひとりが入ってもそんなに違和感なくできるんじゃないかなと思う」

 エースであるルーニーとの関係についても、香川は「自分のことだけでなく、チームのよさを引き出そうとしてくれるからやりやすい」としたうえで、こう続ける。

「ルーニーは練習のときから、(ポジションを)一個下りることが多いから、そのときは自分が前に行ったりして、お互いが流動的にやれれば、もっともっとよくなる。やっぱりスゴい選手なんで、ルーニーのよさを生かしながらやれば、自分(のよさ)も生かしいけると思う」

 とはいえ、ルーニーとの関係以上に現段階で秀逸だったのは、サイドで見せたコンビネーションである。とりわけ左サイドでナニと絡んだときには、もう何年も一緒にプレイしているチームメイトのように、滑らかなパス交換を披露した。

「スピードある選手がサイドにいるってことは、自分がボールを受けてワンツーが使えたりすれば、(自分が)ゴール前でフリーになる機会もあると思う。その中で結果を残していければ、さらに(周りからの)信頼や存在感が増してくると思う」

 香川がそう話したように、周囲の特徴を生かすということは、すなわち自分の得点機会を増やすことにつながる。実際、73分には、香川とのワンツーで左サイドを抜け出したナニからラストパスを受け、惜しいシュートを放っている。

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