2012.07.21

【スペイン】バルセロナとレアルの選手は代表でひとつになった

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki
  • 原悦生●写真 photo by Hara Etsuo

 彼らはひとつになった。カタルーニャ人と他のスペイン人が混じり合ったチーム(シャビ・アロンソやイケル・カシージャスのようにバスクにルーツを持つ選手もいた)は、世界のフットボール史で過去最高の成功を収めた。

 すでに世界とヨーロッパを制していた選手たちは、ユーロ2012で完璧にひとつになったように見えた。特に素晴らしかったのは、イタリアを4-0で破った決勝だ。しかし、ポルトガルとの準決勝のPK戦もスペイン史上最多のテレビ視聴者を集めていた。それはカタルーニャでも同じだった。

 この試合を見ていたカタルーニャ人のなかには、ポルトガルを応援していた人もいるかもしれないが、それは少数派だったろう。スペインがPK戦に勝った後、多くのカタルーニャの町では、みんなが集まって決勝を見られるよう大スクリーンを設置した。

 最近の世論調査によれば、カタルーニャ人の過半数がスペインの瀕死の経済からの独立を望んでいる。それでも彼らの大半は、心のどこかに「スペイン人」という意識を持ちつづけている。

 新しいスペインは今も存在し、フットボールの代表チームがそれを体現している。

前編を読む>>

関連記事