【EURO】地元ポーランド敗退。敗因は「高すぎたテンション」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

「初戦で(ロシアに)敗れ、難しい状況になったが、グループリーグを突破できてうれしい。すばらしい試合にとても満足している」

 そう語ったビレク監督は、突破の要因を「2、3戦目はディフェンスがよかった。初戦よりもかなり改善されている」ことを上げた。

 だが、実際の試合を見る限り、ポーランドはチェコの守備を崩せていた。チャンスは作れていた。やはり悔やまれるのは、試合序盤の逸機である。

 もしポーランドが勝っていれば、決勝トーナメント進出はもちろん、もうひとつの試合でギリシャがロシアを破っていただけに、1位通過というおまけまでついてきたのだ。

 2引き分けで最終戦を迎え、勝てば決勝トーナメント進出というのは、ポーランドにとっては最高のシチュエーションだったはずである。言ってみれば、開催国が勢いに乗り、波乱を起こすときのパターンはできあがりつつあったのだ。あとは地元の大声援を背に、ゴールを決めるだけだった。スムダ監督が語る。

「チェコはすばらしいサッカーをし、ゴールした。我々にもいくつかチャンスがあったのだが、それを決めることができなかった」

 地元の大声援は、選手に大きな力を与える一方で、大きなプレッシャーにもなりうる。

 ポーランドの選手は、少しばかりテンションが高すぎた。目の前にある快挙を前に冷静ではいられず、シュートを枠に飛ばすことさえままならなかった。

 結局のところ、これに尽きる。
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