【EURO】ウクライナを粉砕。新生フランス、優勝候補に名乗り

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 後半に入ると、その傾向はさらに強くなり、53分にはあっさりと先制点を手に入れる。リベリーからベンゼマ、更にメネスへと、ゴール前で左から右へウクライナ守備陣を翻弄。ペネルティエリアに右から侵入したメネスが豪快に左足を振り抜く、美しい形の先制点だった。

 この日先発の座を手に入れたメネスはリーグアンの最年少得点記録を持ち、ジダンの後継者としての期待がかかる25歳。フランス代表にはブラン監督就任後に初招集されて定着した。今後、代表で中心的役割を果たすことを期待されている。

 ブラン監督は「個人的なことには言及したくはないのだが」と前置きしながら、「彼はもっと自信を持たなくてはいけない。素晴らしい才能があるのだから」と、その期待感を口にした。

 続く2点目も右サイドでゲームを作りゴール前で左に展開。メネスが絡んでベンゼマ、そして最後はキャバイエが左足で決めている。1トップに起用されているベンゼマはこの日2アシスト。ゴール前での味方を使う巧みな動き、柔らかいパスは秀逸だ。

 気になることがあるとすれば、リベリーがこの日はシュートゼロに終わったことくらいか。とはいえ1点目を始め、ゴール前のシーンには再三かかわっているし、この日のマン・オブ・ザ・マッチにも選出されている。

「スウェーデン戦が重要なのは分かっている。初戦に引き分けたら最後の試合は当然、大切になる」(ブラン監督)

 これでフランスはイングランドと勝ち点4で並び、3位には勝ち点3のウクライナがつけている。勝ち点0のスウェーデンにとっては消化試合となるが、フランスは引き分け以上の結果を残さなくてはならない。というより、決勝トーナメントで上位進出をするためには自分たちをリズムに乗せることが必要。次戦もさらっと勝っておきたいところだ。

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