【EURO】至高の芸術。「パスショー」だけではない王者スペインの強さ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 この試合でスペインが放ったシュートは26本。これほど一方的な展開になれば、決して珍しい数字ではないが、驚くべきは、うち20本が枠内シュートだったということである。

 実際、2点目は、立て続けに放った3本のシュートがゴールを襲い、アイルランドが持ちこたえられなかったものだったし、4点目はセスク・ファブレガスのシュートが、角度がないところからでもしっかりと枠を捉えて生まれたものだった。

 誰もが認める優勝候補筆頭は、初戦でイタリアと引き分け。連覇へ向け、決して順調な滑り出しではなかった。

 それでも、2戦目ではきっちりと勝ち点3を得るばかりでなく、得失点差でもプラス4の貯金を作るあたりは、さすがである。

 スペインが優勝候補たるゆえんは、華麗なパスワークだけではない。2008年ユーロと2010年ワールドカップの二冠王者が、腰の据わった強さを示した一戦だった。

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