【EURO】アクシデント多発のイタリア代表、メンバーはユーベ中心に

  • 内海浩子●文 text by Uchiumi Hiroko
  • photo by Getty Images

 問題は前線だ。真の点取り屋がいないのだ。カッサーノもバロテッリもゴールゲッターではない。唯一のゴールマシーンであるディ・ナターレを中央に、右バロテッリ、左カッサーノという4-3-3は魅力的だが、そうなると中盤の守備の負担が少し重くなる。

 そこでプランデッリが使おうとしているもうひとつのシステムがCF抜きの4-3-1-2。バロテッリとカッサーノの背後に攻守に長けるモントリーボ、モッタといった選手を置いてバランスを取る形だ。プランデッリが典型的トップ下の“ファンタジスタ”であるディアマンティをメンバーに入れたことを考えると、試合の流れ次第では彼をここへ投入してくるはずである。

 ジョビンコ、ボリーニらアズーリのFW陣はテクニック&スピードを武器としており、バロテッリを除いてみな小型。そこにフィジカルが強く2列目からの飛び出しを得意とするマルキージオやノチェリーノがからんでくる。ピルロはさぞかしやりがいがあることだろう。

 グラウンダーのパス展開とポゼッションでゲームを掌握しようとする、今までとは少し毛色の違うイタリア代表がEUROで機能することを期待したい。

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