【EURO】アクシデント多発のイタリア代表、メンバーはユーベ中心に (2ページ目)

  • 内海浩子●文 text by Uchiumi Hiroko
  • photo by Getty Images

 この雰囲気はプランデッリの考え方が反映されているように思う。彼は敵を作り、そこから団結を導きだす監督ではない。ベースはディシプリンにある。そこには憎しみや恨みつらみがない。代表の中心選手だろうと、所属チームで問題を起こしたりポジションを失ったりすると召集してこなかった。

 だが"みそぎ"を終え、きちんとプレイするようになれば再び呼び戻す。間違いを犯したら叱咤するが、信頼は失わない。結果、今回のメンバーにはバロテッリ、カッサーノら"はみ出し組"もみんな入った。「辛抱し続けてくれたプランデッリに報いるため、オレはEUROでいいところを見せる」とはバロテッリの言葉である。

 さて、今回のアズーリだが、骨格は"ユベントス・ブロック"である。GKブッフォン、CBコンビのバルザーリとボヌッチ、中盤のピルロとマルキージオが、今季のユーベが見せたパスワークのサッカーと強固な守備力を代表にも持ち込んでいる。

 そしてユーベがそうだったように、攻と守の源はMFにある。ピルロ、マルキージオ、そして"ビダル(ユベントスのMF)役"となるデ・ロッシだ。この布陣に、右SBはアバーテかマッジョ、左はクリッシトが抜けたことでキエッリーニが入り、4DF3MFのシステムがベースになるだろう。

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