【ヨーロッパリーグ】シャルケ大敗、内田篤人が見たビルバオの強さ

  • 了戒美子●文 text Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 とはいえ、その後の試合運びがまずかった。ハーフタイムにヒルデブラントが負傷し、後半からキーパーが交代していたことも不運だった。今季キーパーがことごとく負傷に見舞われるシャルケ。ヒルデブラントはシャルケの第3GKで、交代出場のショーバーは第4GKだ。好パフォーマンスは期待できない。後半28分、CKをニアサイドでジョレンテに簡単に合わされて同点にされると、シャルケの選手たちはがくっと気落ちした。ラウルだけがプレッシャーをかけに走り回る。

「前半からボールをまわされて、それがジャブのように効いた。後半は戻れなくなった」

 ボールを追いかけるサッカーは自分たちの想像以上に苦しいものだった。

 一方のビルバオは変わらぬペースでボールを回し、3点目、4点目はカウンターで一気にゴールを陥れた。

「去年チャンピオンズリーグで対戦したバレンシアよりは強くないと思った。でもボールをまわさせると上手いし、カウンターで点を取る決定力もあった。今日は攻撃が2点もとってくれたのだから、後ろが悪かった。うちはあんまりCKからは(点を)とられないんだけど、やられてしまった……」

 淡々と話す内田の側を、下を向き全ての視線をシャットアウトしたラウルが足早に通った。この一戦への意気込みの強さと、大敗の意味を知らされた思いだった。

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