【ドイツ】「不調は『底』をすぎた」
先制点アシストの内田篤人が手応え語る

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 リーグ戦では第22節ボルフスブルク戦以来の先発となったハンブルガー戦。シャルケはディフェンスラインのうち、パパドプロスとヘベデスの2枚看板を欠くという事情もあり、内田はいつもどおり右SBに入った。立ち上がりの5分には、いきなりクロスで先制点アシスト。それも長い距離を独走して、ゴールライン際で受けた縦パスをダイレクトで入れた、内田のスピードと攻撃性が生かされたものだった。
 
 これまでは先発しても、なかなか上がる機会がなかったり、クロスをあげるにはいたらないことが多かった。だがこの試合では、立ち上がりから積極的なプレイが目立った。ファルファンとのコンビネーションを賞賛されてきた内田だが、一方で、ファルファン不在時にどうその攻撃性を発揮したらいいのか、どこで受けどう上がっていくのかを見出せずにいた。その内田がようやく脱ファルファンともいえるプレイを見せた。後半28分にも、ゴールにこそならなかったが、ラウルに決定的なクロスを入れている(試合は3-1で勝利)。

「自分はいつでも尻上がりに調子を上げていく。これまで試合に出ていないのでこれからですよ」と、試合後の内田は疲れも見せず、前向きだった。

 スタメン落ちからの復活は、それだけ手応えのあるものだったのだろう。今回のベンチ外期間もまた、内田にとって成長の糧となるのかもしれない。

「刺激が欲しいと思って来た欧州で、簡単に試合に出られていたら面白くない」と、言い切る。メンバーの復帰次第で内田の立場はまた変動するだろう。だが、これまでほどは危ういものにはならないはずだ。そんな期待を抱かせるこの2戦だった。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る