【ドイツ】ケガから復帰した香川真司、代表招集に見せた覚悟

  • 了戒美子●text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

ハノーバー戦に先発出場、後半42分までプレイした香川。ドルトムントは7連勝で首位を守ったハノーバー戦に先発出場、後半42分までプレイした香川。ドルトムントは7連勝で首位を守った ブンデスリーガ第23節。ドルトムントの香川真司はハノーバー戦で早くも戦列復帰を果たした。それもベンチからではなくいきなりの先発出場。そしてそのままの流れで日本代表にも追加招集された。

 簡単に振り返ると、香川は2月15日の練習中に左足首靭帯を負傷した。本人も「大丈夫なのかなとは思った」そうで、それなりに腫れも痛みもあったという。クラブは翌日、3月3日のマインツ戦に復帰するだろうと発表した。つまり、ブンデスリーガ2試合(第22節ヘルタ戦とハノーバー戦)、そして日本代表戦の欠場を示唆していた。

 去年、香川はアジアカップで負傷、長期にわたって離脱を余儀なくされたこともあり、タイミング的にもクラブが代表招集を嫌ったのだろうと推測された。だが香川自身は、負傷直後のヘルタ戦前から「ハノーバー戦で復帰の可能性」に言及している。ヘルタ戦の翌週は、主将のケールが香川の復帰を望んだなどの声と併せて、キッカー誌やビルト紙などの現地報道でも、ハノーバー戦出場の可能性が示され始めた。

  実際のところ、クラブ側の本音はどのようなものだったのだろうか? クラブが今回の特に厳しい日程(国際マッチデーのため、通常であれば1週間、ブンデスリーガが休みになるが、今回は週末ごとにリーグ戦があり、その合間に代表戦がある)を懸念し、負傷直後の代表招集に抵抗を示したとしてもおかしくはない。

「(クラブ側の抵抗感は)ありましたよ。でも、日本代表がレターを出して、(受け取ったクラブは香川に)『どうする?』って聞いてくれて。で、『問題がなければ(代表招集に応じる)』って答えたという感じです」

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