【イングランド】カペッロは今夏のユーロでの代表の失態を予期していた (2ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki
  • photo by Getty Images

 カペッロの辞任は、この夏にウクライナとポーランドで代表がさらに失態を重ねることを彼が予期していた証拠だろう。この10年ほどイングランド代表は何度も国民を失望させてきたが、現状はさらにひどく、高齢化も進んでいる。峠を越えた31歳のテリーがキャプテンを続けていたことがいい例だ。しかもユーロ2012では、ルーニーが最初の2試合に出場停止処分となっている。カペッロは彼自身のいら立ちが栄光によって報われることはないと考えたのだろう。

 カペッロの後釜には、脱税容疑の裁判で無罪を勝ち取ったばかりのトットナムの監督ハリー・レドナップが座るとみられている。レドナップはすばらしいシーズンを送っているものの、キャリアを通じてカペッロほどの勝率はあげていない。イングランド代表に新監督が就任するといつも祝賀ムードが高まるが、レドナップがカペッロ並みの成績を残すのはかなり厳しいだろう。

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