【ドイツ】首位奪取!ドルトムントが序盤の不振を乗り越えた理由 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 それでも香川は「最近ようやくお互いの良さをリスペクトし合えるようになったのかもしれない」と言う。開幕当初はレバンドフスキーから香川へのパスなど滅多になかったのが、年が明けてからは両者間でのパスも回数が増えた。

「あいつも見てくれるようになっているから、気づいてもらえる動きを続けていくしかない」

 焦らず、じっくり関係を高めていこうと、香川は自らに言い聞かせるように語った。このふたりの関係に代表されるようなことが他にもあるからこそ、チームはゆるゆると調子を上げ首位にまで上り詰めたのではないか。

 この第20節ニュルンベルク戦は、その前の2試合に比べると香川が直接ゴールに絡む回数は少なく、相手にブロックを作られて引いてプレイする時間帯も多かった。前半戦であれば、いら立ち気味に「僕の仕事はこれではない」と口にしていたところだ。だがこの日は違った。

「ブロックを作られていたのとマンマーク気味だったことから、引いてスペースを空け、リズムを作ろうと意図的にした」

 中盤に下りてさばくプレイ以外にも、カウンターにつながる縦パス出したり、回数は少ないながらゴール前に関わることができていた。バリオスの今季初得点も、香川のシュートをGKに弾かれたところから生まれたものだ。香川は中盤だけではなく、かといってゴール前だけでもない働きに、手応えを感じているようだ。ビルト紙も香川を今季4回目のベストイレブンに選出しており、評価の高さがうかがえる。
 
 このままドルトムントが勝ち進むのか。それともバイエルン、あるいはシャルケ、ボルシアMGあたりの逆襲はあるのか。少なくともバイエルンが独走するよりリーグ戦が面白くなったのは確かだ。

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