【ドイツ】好調を取り戻した香川真司、現地メディアの評価と関心事 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 後半戦に入ってから、スポーツ報道で信頼性の高いキッカー誌と大衆紙ビルトでは、2戦連続してベストイレブン入りしている。今季通算ではキッカーが4回、ビルトでは3回となる。また、キッカーではホッフェンハイム戦では今季初めてマン・オブ・ザ・ウィーク(その節にもっとも活躍した選手)にも選ばれており、現地での評価は想像以上に高い。

 今週、両媒体はともに複数の香川に関する記事を掲載しているが、ビルト紙は日本のテレビ局のインタビューとのやりとりを紹介している。

「今日みたいなプレイを続けていけば夏にはファンを喜ばせるような結果を出すことができると思うよ」

 そんな陽気なコメントを載せつつも、実はビルトの興味は他にある。それは香川が2013年まであるドルトムントとの契約を延長するかどうかということだ。2013年まで契約があるとはいえ、契約期間を残した上で移籍し、移籍金を元のチームに残すというのが一般的な流れとなる。例えば現時点で「契約延長しない」と宣言したとすると、それは2013年夏までプレイするという意味ではなく、今年の夏かもしくは次の冬には移籍するということを意味する。香川がビッグクラブへ移籍してもおかしくないと睨むメディアの興味は、それが「いつか」なのだ。

 記事では「僕はドルトムントでとてもいい気分でいることができている。でもそういった話題は全て代理人のトーマス・クロートに任せているから」と答えたと、紹介されている。そして「まだ答えは決まっていない。香川は多くのクラブから注目されている存在だ」というのがクロートのコメントだ。

 ビルト紙ならずとも、香川の行く末には興味がある。今後、活躍をすればするほど、メディアの興味の対象もそちらに移るだろうと予想される。だが今はまず、輝きを取り戻したうえに新たな可能性を感じさせる、そのプレイを堪能したいと思う。


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