加地亮が選ぶ現在のJ1おすすめベストイレブン。「ビッグセーブ連発」「神出鬼没」「すさまじい運動量」の選手とは?

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

すさまじい運動量

奥埜博亮(MF/セレッソ大阪)

 奥埜選手はとにかく運動量がすさまじい。走行距離のデータを見ても、突出したものがあります。

 その運動量をベースにした守備範囲の広さがずば抜けていて、ボール奪取能力も非常に高いものを持っていますし、危ないエリアには必ずと言っていいほど奥埜選手がいてくれます。

 最終ラインの選手が「そのコースを消してほしいな」と思うところを必ず消してくれるし、サイドをえぐられた時にペナルティーボックスやバイタルエリアにプレスバックで戻って、必ずマイナスのボールをはじき返せる位置にいてくれるんですよ。

 その圧倒的な守備範囲でボールを奪取したかと思えば、サイドにボールを展開して、次の瞬間にはもう相手ゴール前にいて点も奪えてしまう。攻守において貢献度が非常に高く、C大阪の躍進を支える中心的存在ですね。

野津田岳人(MF/サンフレッチェ広島)

 野津田選手がアンカーに入って、塩谷選手が最終ラインに下がったことで、広島はかなり変わりましたよね。

 ビルドアップでの野津田選手のサポートが非常に効いています。ボールを受けてから広角にも出せるし、シンプルに散らすパスも出せる。その安定したビルドアップ能力は重要な存在になっています。

 それに加えて運動量もトップクラス。アンカーでボールをさばきながら前へ出ていって、パンチ力抜群のシュートで点も取れるし、アシストもできる。あれだけうしろで仕事をしながら前線にも絡んでいけるのは、本当にすごいと思います。

 守備においても体の強さがあって、相手と競った時にまず負けない。きっちりと奪いきれる対人能力の高さがあって、それを90分間維持できるというのは非常に魅力ですよね。

満田誠(MF/サンフレッチェ広島)

 ルーキーイヤーでここまで5得点5アシスト、その数字を見ただけでも驚異的な成績を残していますよね。負けん気の強さとフィジカル、若さゆえの豊富な運動量は魅力で、攻撃面だけではなく、守備能力の高さも、今の広島でレギュラーをつかんでいる要因だと思います。

 広島がボールを保持している時、満田選手は前線から非常にいい顔出しをしてくれるんですよね。相手がマークにつきづらいタイミングで相手の嫌なスペースに入って、後方から巧みにボールを引き出して起点になれる。カウンターでも相手の隙を狙って素早く動き出せます。

 狭いスペースで受けるのも得意なので、相手が引いて守る展開でも守備ブロックにズレを生じさせることができます。テクニックだけではなくて、味方を生かし、生かされる質の高い動きが伴うことで、これだけゴール数やアシスト数が記録できているのだと思います。

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