アビスパ福岡が打って出た大胆な策。「2年目のジンクス」を打破できるのか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 アウェーで手にした貴重な勝ち点1を、長谷部監督はこう振り返った。

「負けているなかで追いついた勝ち点1。先制した段階で言えば、(引き分けは)もったいないとも言えるが、(逆転を許したあとに)追いついた最後の時間で言うと、うまく勝ち点1をとったと思う。それが(8位以上という)目標につながる」

 値千金の同点PKを決めたFWフアンマ・デルガドもまた、「FC東京はタレントが多いし、順位も我々より上だが、逆転されても下を向かず、追いつくことができた」と言い、前向きな言葉を口にした。

「ここ何試合か、我々らしさを出せなかったので、それをとり戻せたのは収穫。今日のような戦いができれば、いい流れを持ってこられる」

 とはいえ、失点数だけに目を向ければ、福岡はこの試合でも2失点しており、複数失点は3試合連続に伸びた。正GKをベンチに置くという思い切った最終手段も、悪い流れを完全に止めたとは言い難い。

 福岡は昨季もシーズン折り返し地点と前後して、5連敗を含む7試合連続勝利なしの時期があっただけに、ここを乗り切れるかどうかが、今季の勝負どころとなりそうだ。

 はたして、福岡は2年目のジンクスを打破することができるのだろうか。

 例年になく暑さが厳しい今年の夏。2年目の福岡が正念場を迎えている。

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