ジェフ千葉はJ2降格後「オリジナル10」で唯一J1昇格を果たせておらず。今季こそ汚名返上か

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

 Jリーグは今季、1993年のスタートから数えて30回目のシーズンを迎えた。

 その間にはさまざまなクラブの栄枯盛衰があり、そのつど、勢力図が書き換えられてきた。30年もの間、コンスタントにチーム力を保ち続けることは、それだけ難しいということだろう。

 1993年のJリーグ誕生時に名を連ねていた10クラブ、いわゆる"オリジナル10"のなかには、現在はJ2に降格してしまったクラブもある。

 そのひとつが、ジェフユナイテッド千葉だ。

 日本リーグ時代の名門チームである古河電工を前身とする千葉は、しかし、Jリーグ誕生後は苦しい戦いが続いた。

 先頃亡くなったイビツァ・オシム監督が率いた時代には、ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)を2005年、2006年に連覇したほか、J1でも優勝争いに加わるなど、"名門復活"を印象づけたこともあったが、その後は再び低迷。2010年に戦いの舞台をJ2へと下げて以降、一度もJ1に戻れないまま現在に至っている。

 今季でJ2在籍は13シーズン目。現在J2を戦うオリジナル10は、他にも東京ヴェルディがあるが、J2降格後に一度もJ1復帰を果たせていないのは、千葉だけである。

 最近では、J1昇格どころか、J2でクラブ史上最低順位を更新することも珍しくなかった。

今季、悲願のJ1復帰が期待されるジェフユナイテッド千葉今季、悲願のJ1復帰が期待されるジェフユナイテッド千葉この記事に関連する写真を見る だが、そんな苦境に明るい兆しが見えたのは、昨季のことだ。

 シーズン序盤は苦しい戦いが続いたが、最後は13戦無敗(8勝5分け)で締めくくるなど、終盤戦で快進撃を見せ、8位でフィニッシュ。久しぶりのひと桁順位は、復活の狼煙を予感させた。

 尹晶煥監督3年目の今季も、ここまで8位につけており、3季ぶりに復活するJ1参入プレーオフ進出(3~6位)はもちろん、自動昇格(1、2位)も狙える位置につけている(第22節終了時点。以下同じ)。

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