Jリーグ最高の守護神スウォビィクがGKを始めた少年時代を語る。「横っ飛びしてボールを弾いた時は、本当に気持ちよかったな」 (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

順風満帆に成長していたが......

 その後、U-21ポーランド代表に招集されるようになると、同国のレジェンド、ユゼフ・ムイナルチク──1982年スペインW杯で3位に入り、1987年にはポルト(ポルトガル)で欧州を制した名GK──に指導を受けた。以前、このインタビューシリーズ「私が日本でプレーする理由」で、スウォビィクの同胞のクシシュトフ・カミンスキーも「劇的に成長させてもらった」と話していた、名選手にして名伯楽だ。

「ムイナルチクも実に優れたGKコーチだった。指導は厳しかったけど、親身になって後進を育てようとしているのがわかった。ポーランドの伝統を残そうとするように」

 ここまでは順風満帆に成長していたスウォビィクだったが、ちょうどその頃、大きな障壁に直面することになる。選手生命が危ぶまれるほどの重傷を負ってしまったのだ。

 カミンスキー(1990年生まれ)とスウォビィク(1991年生まれ)は同世代のトップクラスのフットボーラーだったが、そのケガの影響により「U-21代表で一緒にトレーニングしたことはない」という。

「あれは2011-12シーズンの序盤戦だった。20歳にして、レギュラーを掴めた矢先だっただけに、本当に辛かったよ......」
(後編につづく>>)

ヤクブ・スウォビィク
Jakub Slowik/1991年8月31日生まれ。ポーランド・ノヴィ・ソンチ出身。FC東京所属のGK。ユース時代から頭角を現し、スパルタザモツリーをキャリアのスタートに、スパルタ・オボルニキ、ヤギエロニア・ビアウィストク、バルタ・ポズナン、ポゴンシュチェチン、スウォンスク・ヴロツワフと国内で活躍する。2019年にJリーグのベガルタ仙台に移籍、2シーズン半プレーしたあと、2022年シーズンからFC東京のゴールを守っている。

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