中村憲剛と佐藤寿人のキャプテン論。「あの人」の影響でクルマの中にペンと色紙を置くようになった (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki 佐々木麻里子●ヘア&メイク Hair & Make up by Sasaki Mariko

中村 それはすごい。

佐藤 人柄の部分が大きいですけど、キャプテンになる人って、そういうところにベースがあるのかなと。日本代表というチームとして見られているなかで、キャプテンとしてどういう振る舞いをしないといけないのか。

 もし、ツネさんが素っ気ない態度をとれば、日本代表のイメージも悪くなる。常にペンを持ち歩いて、いつでもファン対応ができるように準備するなんて、なかなかできないですよ。当時、僕もまだ若かったので、そういうツネさんの振る舞いは勉強になりました。

---- それ以来、寿人さんのカバンの中にもペンが入っているとか?

佐藤 入っていますよ。クルマの中にもペンと色紙を置いています。実際にサインをもらいに来ても、ペンを持っていない人ってけっこう多いんですよね。そういう人たちにも喜んでもらえるように、常に準備はしています。

 その行為で、選手のことも、クラブのことも好きなってくれる可能性がある。それこそ、サッカー自体を好きになってもらえるんじゃないかって。ツネさんの受け売りですけど(笑)。

中村 受け売りでもすばらしいです。

---- 憲剛さんが挙げたドゥンガはどういう理由で?

中村 なにせインパクトが相当ありましたから。1994年のワールドカップの時もそうですし、ジュビロに来てから(1995年〜1998年)もすごかった。サッカー選手であんなに怒る人がいるのかって(苦笑)。あの姿はかなり強烈でしたね。

---- キャプテン=怒るというイメージですか。

中村 怒るというよりも、鼓舞するイメージですね。チームを焚きつけることができる人。柱谷さんとか、ラモス(瑠偉)さんとかもそうですよね。なので、子どもの頃は「こういうタイプの選手がキャプテンをやるもんなんだ」と思っていましたよ。

佐藤 憲剛くんがフロンターレに入った時(2003年)のキャプテンは誰でした?

中村 鬼木(達/現・川崎フロンターレ監督)さんだった。で、その次に(伊藤)宏樹さん。

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