ロジェ・ミラ+オルンガ? J1の台風の目、京都サンガの切り込み隊長は得点ランク首位の38歳 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

アシスト役に回る賢さも

 柏戦では2点目のダメ押し点をゲットした。右からMF川﨑颯太の折り返しをGKが弾くや、即詰めるアイスホッケー選手ばりの動体視力及びポジショニングで奪ったゴールだった。ウタカらしいゴールと言えるが、より圧巻だったのは、その前の試合、対サガン鳥栖戦で奪った3点目のゴールだ。

 ウタカが、必死に食らいつく相手CB原田亘とGK朴一圭をキックフェイントで切り返すと、2人はずっこけるように大きく転倒。楽々とゴールを奪う姿に、そのすごみは凝縮されていた。

 12シーズンぶりにJ1を戦う京都にとって、これほど頼もしい存在はない。心配は彼にケガをされることだが、ケガをしそうもない安心感も備えている。プレーに万事、余裕があるので、動きに無理がない。強引のようでいて、アシスト役に回る賢さもある。外国人選手にありがちな我の強さもない。

 さらにはプレッシングにも貢献する。追われた相手選手はついビビる。蛇に睨まれたカエルのように足をすくませる。先述の鳥栖のCB、原田がそんな感じだった。

 ウタカが健在である限り、京都の失速はないと見る。勇気づけられることで、その攻撃的な姿勢はさらに活発化しそうだ。ピーター・ウタカ率いる京都。今季のJ1の台風の目となりそうである。

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