浦和レッズ伝統の「色」が復活。旗手は新加入スウェーデン人ウインガーだ (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishuku Torao

 浦和は、スタメンを張る他の2人(ユンカーと、アレクサンダー・ショルツ)がデンマーク人なので、モーベルグを加えた3人は、いわば北欧トリオとなる。南米色が強い他のチームと比較すると新鮮だ。クラブの色になり得る魅力と言ってもいい。

 振り返れば浦和はその昔、ドイツ色が強いクラブだった。ギド・ブッフバルト、ウーベ・バイン、ウーベ・ラーン......。監督もブッフバルト、ゲルト・エンゲルス、フォルカー・フィンケ、ホルガー・オジェックなど、ドイツ人が歴任した歴史がある。Jリーグ発足当初、他のチームにはない特別な色を備えていたが、気がつけば消えた。中途半端になっていた。

 最近の欧州志向は、それだけに歓迎できる。監督のリカルド・ロドリゲスも、スペイン人ではあるが、上から下までラテン人、という感じではない。コンセプトは出来上がりつつある。モーベルグはその旗手と言うところか。

 日本人にも4-3-3や4-2-3-1が浸透したことで、いいウイングは増えている。まさにウイング天国の様相を呈しているが、そこでモーベルグの切れ味鋭いドリブルを目の当たりにすると、浮かれる気持ちを戒めたくなる。左利きのウインガーにとって、学ぶべきことが詰まっているモーベルグのドリブル。目を凝らさない手はない。

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