今年も首位に立った川崎フロンターレの攻撃をチェック。どうやって相手の隙を突き続けたか (2ページ目)

Answer
小林が空けたスペースに走り、山根からのパスを引き出して右サイドで起点を作った

　１点を追いかける広島が、後半42分にCBの野上結貴を下げて住吉ジェラニレショーンを前線に入れ、うしろの枚数を削ってパワープレーを仕掛けようとした直後だった。

遠野は空いた右裏のスペースに抜き出しパスを受け起点に。そこから大島（①）、小林（②）、山根（③）と、相手の先手を取り続けてゴールこの記事に関連する写真を見る　広島のゴールキックを中盤で拾った川崎は、右サイドの山根にパスを展開。この時、右ワイドの小林がハーフスペースに入り、CBの佐々木を釣り出し、左SBの東は山根への対応に飛び出していた。

　これによって、広島側の左サイドがガラ空きになり、次の瞬間、２列目の遠野がそのスペースに飛び出し、山根からのパスを引き出した。この時、同タイミングで大島も飛び出していた。

　山根からのパスで抜け出した遠野に対して、小林のマークについていた佐々木が踵を返して対応に向かった。しかし、佐々木がサイドに釣り出されたことで、今度は中央が空き、そこへ大島が立ってパスを受けるとカバーに入る塩谷司が引きつけられた。

　するとその空いたところに小林、小林の空けたところに山根と川崎の選手が連動して広島の守備のスペースをつき、後手に回った広島の守備は対応できなかった。そして、山根に対応するために荒木隼人が引き寄せられ、フリーになった知念慶がシュート。こぼれ球を山根が押し込んだ。

　広島は野上の交代までは後ろが５枚で対応できていたが、後ろを削った瞬間に隙をつかれてゴールを奪われてしまった。一方でこうした隙を見逃さず、ゴールを決めきった川崎は見事だった。

◆【動画】J1第５節 サンフレッチェ広島vs川崎フロンターレ ハイライト
（川崎の２点目のシーンは４分５秒～50秒）