横浜F・マリノス、浦和レッズが採用。サッカー界に襟付きユニフォームは復活するか (3ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

襟付きユニフォームの象徴・カントナ

 それまでVネック型ユニフォームを採用し続けていたマンチェスター・ユナイテッドが、クラッシックな襟付きモデルを10年ぶりに復活させたのも、プレミアリーグが産声をあげた1992年のこと。1994年から1995年には、本拠地オールド・トラフォードの絵柄がシャドープリントされた画期的な襟付きユニフォームを採用した。

 そのモデルは世界的に人気を博し、1995年にはレッズがそれと同じ仕様で駒場スタジアムの絵柄をフロント部分にデザインしたモデルを着用している。

 当時マンチェスター・ユナイテッドのカリスマだったフランス代表のエリック・カントナは、襟付きユニフォームの象徴的選手だ。特にゴールを決めたあと、ユニフォームの襟を立てたカントナが両手を腰につけて胸を張る姿は、世界中のサッカーファンの目に焼きつけられた。ある意味、襟付きユニフォームの魅力を教えてくれた人物と言っていい。

 それ以降では、ドワイト・ヨーク(マンチェスター・ユナイテッドほか/トリニダード・トバゴ)、ガブリエル・バティストゥータ(フィオレンティーナほか/アルゼンチン)、フランチェスコ・トッティ(ローマ/イタリア)らが襟立ての継承者として知られるが、日本でもセレッソ大阪のレジェンドのひとりでもある元日本代表の西澤明訓が、ユニフォームの襟を立ててプレーする選手として知られている。

 今回、横浜FMと浦和の襟付きユニフォームに注目が集まった理由は、おそらく機能性とは別のところの、ユニフォームの"遊び"の部分にある。そういう意味で、ほとんどのチームがVネックや丸首のユニフォームを採用するなか、ノスタルジックな襟付きユニフォームが復活したことは、今後のJリーグにおけるユニフォームデザインに何らかの影響を与える可能性を秘めている。

 さらに、そのなかで"襟立て"の選手が活躍したとなれば、襟付きユニフォームのインパクトも倍増必至。その魅力が、より多くのファンに伝わることになるだろう。

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