ガンバ大阪を強くするためにやってきた齊藤未月。「Jリーグでもう一度、自分の価値を示したい」 (3ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • photo by (c)GAMBA OSAKA

 ただ、守備の部分で自分からアクションを起こすプレーは僕の特徴ではあるとはいえ、今は守備だけをやっていればいいという時代ではないからこそ、攻撃でももっと自分からアクションを起こしていきたい。ガンバの前線には特徴のある選手がいるからこそ、そこに一旦預けて、自分が中に入っていってゴールを狙うといった攻撃面でのプレー精度はもっともっと高めていきたいし、ゴール、アシストといった明確な結果も自分に求めたいところです」

 その言葉にある"攻撃でのアクション"は、実はロシアでの1年間で自身に足りていないと気づいた部分だという。残念ながらルビン・カザンではケガもあって公式戦から大きく遠ざかったが、普段の練習を含め、新たな環境に身を置くことで感じられたことも多かったようだ。

「日本では、周りの選手を助けてあげよう、とか、このプレーをしてあげようというマインドでプレーする選手が多い気がしますが、海外ではどちらかというと『そこは自分でやれよ』感が強く、ボールを持っても孤立することがすごく多かった。それを体感したことと、ロシアでは毎日、対人の練習が多く、必然的にゴールに向かう、ゴールを決める意識をより強めることができたなかで、自分からアクションを起こして攻撃に、という意識はこれまで以上に強くなりました。

 湘南でプレーしていた時代は曺貴裁監督(現京都サンガF.C.監督)の目指すサッカースタイルもあって、僕自身がボールを持つ時間はすごく短かったですが、ガンバではボールを保持したサッカーを目指すなかで、僕自身ももう少し自分でボールを持って仕掛けていくとか、ゴールに直線的に向かっていくプレーを出していければいいなと思っています」

 それによって、バージョンアップした齊藤の姿をピッチで楽しむことができれば、また、彼が描く「チームの多くの勝利のために、多くの数字を残す」という目標が実現できれば、間違いなくそれは、新たなチャレンジへの活路を見出すことにもつながっていくだろう。

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