鹿島アントラーズの浮沈のカギを握るJ最高の外国人選手。日本にいるのが不思議なぐらい (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

いなくなられては困る外国人選手

 昨季、守備的MFでコンビを組んでいた相手は、ボール奪取能力に長けた三竿健斗だった。しかし、開幕戦のG大阪戦でコンビを務めたのは、サガン鳥栖から移籍してきた樋口雄太で、こちらはパサータイプのMFになる。大きく括れば、ディエゴ・ピトゥカと同タイプだ。4-4-2の真ん中で横並びにさせるコンビとしてどうなのか。これから布陣の変更はあるのか。

 ディエゴ・ピトゥカは、上田が挙げた3点目のゴールにも絡んでいた。荒木遼太郎に送った縦パスが、さらに上田へと渡り、G大阪ゴールを揺るがしたわけだが、荒木、上田は1月に行なわれた国内組が参加した日本代表合宿に参加した、鹿島期待の2人組だ。3点目をその2人のコンビネーションで奪ったとなれば、荒木に送ったそのひとつ前の縦パスは忘れられがちだ。

 この日の鹿島ではチームに2年半ぶりに復帰した鈴木優磨も活躍した。先述の樋口も新鮮に映った。左サイドバックの安西幸輝も、長友佑都(FC東京)を上回る元気な動きを見せていた。鹿島には、語るべき要素が数多くあることは事実ながら、そちらに目が奪われるあまり、左利きのブラジル人MFを軽んじることになったとすれば、ナンセンスだ。

 鹿島のみならず、Jリーグにとって最もいなくなられては困る選手、ディエゴ・ピトゥカの今季の活躍に目を凝らしたい。

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