浦和レッズのキャラ変に一抹の寂しさ。「好選手による好チーム」でいいのか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

【イニエスタ並みのスター獲得を】

 川崎戦ではキャスパー・ユンカー、新加入のダビド・モーベルグが欠場したため、プレーした外国人選手は、アレクサンダー・ショルツただ1人だった。ピッチに立てる外国人枠は5人。しかし浦和が抱えている総数は3人だ。その3人の欧州人選手にしても、特別、値段が張りそうな大物選手と言うわけではない。

 メンバーは、日本人選手も外国人選手も、好選手で固められている。予算規模的にはJリーグでトップの座にありながら、選手強化は非ビッグクラブ的だ。今季で2シーズン目を迎えるリカルド・ロドリゲス監督の好みが反映された結果と思われるが、神戸とともにJリーグを代表する金満クラブの強化方法として、その姿はいささか寂しく感じられる。

 好チーム化する浦和に異を唱えたくなる。年間予算に相応しい派手な顔ぶれを並べてほしい。それこそが浦和に課せられた"色"ではないかと思う。

 J1の18チームにはそれぞれ役割が求められている。レアル・マドリード、バルセロナ的なビッグクラブ。それを追うアトレティコ・マドリードのような現実的なチーム。非力ながら好チーム化を図りながら健闘するビジャレアル、レアル・ソシエダ......。すべてが横並びになっては面白くない。神戸や浦和がレアル・マドリード、バルセロナを目指さなければ、Jリーグはバラエティに富まない。

 酒井宏樹のような値段の張る選手を買い集め、スター軍団化を図る。かつて在籍したポンテ、エメルソン、エジミウソン、ワシントン級の、欧州の上位クラブでも活躍できそうなA級の外国人選手も必要だ。神戸にアンドレス・イニエスタがいるなら、浦和も負けじと同レベルのスターの獲得を目指してほしい。それがJリーグの発展に寄与するものだと筆者は確信する。

 かつて、選手は浦和でプレーすることを望んだものだ。年俸が他のクラブより断然高いとされていたからである。最近の事情はどうなのか定かではないが、けっして有名ではない好選手を、おそらく安価で購入する姿に、浦和の変容を見る気がする。徳島をJ1に昇格させたリカルド・ロドリゲスを招聘するのは、J1の中位クラブであってほしい。浦和に相応しい監督とは、世界的にも知られた指導者だ。

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