中村憲剛と佐藤寿人のJ1リーグ2022戦力分析。川崎フロンターレの不安要素、3連覇を阻む対抗馬は? (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

---- 不安要素はどのあたりに?

中村 年齢的にど真ん中の世代が少なくなったと感じています。去年の夏に(田中)碧(→デュッセルドルフ)と(三笘)薫(→ユニオン・サン=ジロワーズ)が抜けて、今オフには怜央がいなくなりました。あの世代の選手たちが中心になっていけば、このあともサイクルは続いてくと思っていましたが、そこが若干、空洞化してしまった印象はあります。

(小林)悠、家長(昭博)、チョン・ソンリョンの世代と、登里(享平)、(谷口)彰悟、(大島)僚太、車屋(紳太郎)の中堅世代と若い世代の間の選手がちょっと少ないというのが、個人的には気になります。やっぱり継続はしつつも、変化を加えないとチームは成長していかないもの。若手を戦力にさせていくのも含めて、簡単ではないシーズンになるかなと思っています。

---- 鬼木達監督体制が6年目となりますが、サッカーの世界では長期政権も難しいと言われますよね。マンネリが生じたりして。

中村 たしかに、難しさはあると思います。当たり前ですけど、トレーニングのやり方も含めて毎年毎年、そこまで大幅に変更することはないなかで勝ち続けることは難しいですから。そう考えると、時代は違いますがアレックス・ファーガソン(マンチェスター・ユナイテッド監督を27年)やアーセン・ベンゲル(アーセナル監督を22年)はすごかったなと。

 トレンドの移り変わりも早い世界で、長い期間同じチームを見続け、かつ結果を出し続けることは、並大抵のことではないと思います。ただ、鬼木監督も毎年選手たちに刺激を与え続け、成長させられる監督でもあるからこそ、ここ数年のタイトルにつながっていると思っています。

 そのなかで、今年各チームに敷かれる「3連覇包囲網」をどう打ち破るかですね。寿人は広島の時、3連覇がかかった年は最終的に何位だったの?

佐藤 8位でしたね。そもそも、チームの体力的に3連覇を狙える状況ではなかったです。優勝しても、毎年のように主力が移籍してしまいましたから。森脇(良太/→浦和レッズ)もそうですし、(西川)周作(→浦和)もそう。そこは地方クラブの難しいところですね。

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