小野伸二、引退も頭によぎるプロ25年目のシーズン。「ヤットからは刺激をもらう」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by (C)2022 CONSADOLE

Jリーグ2022開幕特集
小野伸二(北海道コンサドーレ札幌)インタビュー@前編

 1998年に鳴り物入りで浦和レッズに加入してから、四半世紀近くの月日が流れた。「天才」と言われたティーンエージャーも、すでに42歳。今年でプロ25年目のシーズンを迎える。

「まあ、何年やっているとか関係なく、開幕は常に楽しみで、ワクワクしますね。新人の頃から変わらず、早くシーズンが始まってほしいな、という気持ちでいますから」

 小野伸二は柔和な表情を浮かべながら、そう答えた。酸いも甘いも噛み分けたレジェンドには、今なお「サッカーをプレーしたい」という欲求が尽きることはない。その純粋な想いこそが、身体を突き動かしているのだろう。

今季J1登録選手で最年長42歳の小野伸二今季J1登録選手で最年長42歳の小野伸二この記事に関連する写真を見る 2月1日に発表された今季のJ1登録選手のなかでは、最年長プレーヤーだという。

「それはそれで光栄なことではありますけど、ピッチに立てば年齢は関係ないことですからね。とにかくピッチの上に立てるように、日々努力するだけです」

 ちなみに最年少は同じチームのDF西野奨太。現在17歳で、小野とは親子ほど離れた年齢の選手である。

「自分の娘と同い年なんですよ。もちろん契約を結んでいる選手ですからしっかりしていますし、ピッチの上でも日々頼もしくなっているので、いちプロ選手として接しています。僕自身、若い子も含めてコミュニケーションを取るほうなので、向こうもそこまで堅苦しくは感じてないんじゃないですかね(笑)」

 2019年夏にFC琉球に移籍してから1年半。小野が北海道コンサドーレ札幌に戻ってきたのは昨年のことである。

「琉球で『沖縄を盛り上げていけたらいいな』という気持ちはありましたし、クラブからは契約更新の話もありました。ただその時には、新たなところでプレーしたいという想いが生まれていたんですね。そういうなかで、コンサドーレがまた声をかけてくれた。それが札幌に復帰した理由のひとつです」

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