今季J1の優勝争いは面白くなる――そんな予感を抱かせた浦和レッズの完勝

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

Jリーグ2022開幕特集
富士フィルムスーパーカップ

 次週に開幕を控えた今季J1に、ひとつの期待が高まる一戦だったのではないだろうか。

 すなわち、優勝争いが面白いものになりそうだ、という期待である。

 新シーズンの幕開けを告げる富士フィルムスーパーカップが日産スタジアムで行なわれ、昨季天皇杯王者の浦和レッズが、同J1王者の川崎フロンターレを2-0で下し、今季最初のタイトルを手にした。

富士フィルムスーパーカップは江坂任(写真右)が2ゴールを決めて浦和レッズが勝利した富士フィルムスーパーカップは江坂任(写真右)が2ゴールを決めて浦和レッズが勝利したこの記事に関連する写真を見る 浦和の完勝と言っていい試合だろう。

「川崎に快適にプレーさせないこともプランのひとつだった」

 浦和のリカルド・ロドリゲス監督がそう語ったように、浦和は試合開始直後からプレスを強め、川崎に対応する間を与えず、前半7分に先制。その後は川崎にボールを保持される時間が長くなったが、粘り強く対応し続けたばかりでなく、後半81分には鮮やかなカウンターから追加点まで奪ってみせた。

 2ゴールを叩き出した、FW江坂任が胸を張る。

「去年より球際で強くいけたし、ボールを奪ってカウンターも多く出せた。それは今年、チームとしてレベルアップし、よくなったところだと思う」

 加えて、今季移籍加入の新戦力、MF岩尾憲(徳島ヴォルティス→)、DF馬渡和彰(大宮アルディージャ→)が先発でピッチに立ち、上々の"浦和デビュー"を果たしたことも、新シーズンに向けた好材料だろう。

 なかでも岩尾は、ともに中盤を構成した柴戸海、伊藤敦樹との連係をスムーズにこなし、早くもチームのコンダクターとなっていた。

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