永木亮太、7年ぶりのベルマーレ復帰。王者アントラーズとレジェンド小笠原満男から得た大きな財産 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by (C)SHONAN BELLMARE

【アントラーズで感じた一体感】

「欲をいえばもっと獲りたかったですけど、タイトルを3つ獲れたことで大きなものを得ました。プロサッカー選手の誰もが味わうことができるものではないので、選手としての自信につながりましたし、それによって周りが見る目も変わってくる。

 ベルマーレに復帰した今もそうですけど、タイトルを獲っているから、周りの選手が聞く耳を持ってくれると感じることも多い。選手として箔(はく)がつくというだけでなく、(タイトルを)獲っている選手と獲っていない選手とでは、言葉の重みも変わってくるように感じています」

 その味が知りたくて、2016年に鹿島へと移籍した。大会は異なるものの3つのタイトルを獲得したことで、共通して感じたものとは何だったのか。

「答えになるかどうかはわからないですが、感じたのはチームとしての一体感でした。特に2016年にJ1で優勝した時のチームには本当に結束力がありました。チームとしてはターンオーバーしながら戦っていましたが、誰が試合に出ても本当にいい試合ができていた。

 J1で優勝したあと、FIFAクラブワールドカップで準優勝して、天皇杯でも優勝するまでの期間は、特にチームとしてひとつになっていた。練習中から『このトレーニングを続けていれば、試合では負けない』という思いを選手一人ひとりが共通認識として持てていた。

 あらためて振り返ってみても、そういう時のチームは強い。一体感や結束力と口で言うのは簡単ですし、ありきたりな言葉に聞こえるかもしれませんが、その雰囲気を作り出すのは本当に難しいこと。タイトルを獲った時には、それをみんなが自然と作り出し、自信を持って試合に臨める空気になっていたように思います」

 その時、輪の中心にいたのが、同じボランチであり、鹿島のレジェンドでもある小笠原満男だった。永木は「プロになる前から大好きな選手で、アントラーズに入る決め手になったのも『満男さんと一緒にやりたい』という気持ちが大きかったからでした」と言う。

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