「成績が基準に到達しなければサッカーに行かせない」。中村憲剛が「文武両道は絶対」と息子に伝える理由 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 チームによっては15歳上や20歳上くらいまでの選手がいるので、そこまでの彼らの経験値だと、どうしても対応できないんです。当然と言えば当然です。なので、壁にぶつかるのは当然として、大事なことは「そこから、どうその壁を乗り越え、這い上がるか」なんです。

 知らない世界を体感して初めて、「考えてサッカーやらなきゃ」となるんですが、それだとちょっと遅いわけですね。高校生活という管理されたなかから、いきなりプロとして個人事業主同士の争いの渦中に飛び込むわけですから、すぐには順応できません。

 ただ、小さい頃から頭を働かせ、言われたことだけではなく、どんな状況に対しても対応できるように解決策を考えながらプレーする癖をつけておけば、プロに入って壁にぶつかった時に、より早くその壁を乗り越えられるし、いち早く順応できるようになるんです。

 そのために、考えること、想像力を養うこと、その癖をつけるために土台作りとして勉強をすることは本当に大事なことなんだよと、色々なところで伝えています。

【親はとても大事】

 やっぱり親は子供に期待しますよね。ご多分に洩れず僕もそうです。ただ、その期待がいつの間にか大きくなりすぎて、子供がその期待を背負えなくなったりしてしまうことは、当然ですがよくないですよね。

 親が期待する気持ちはわかります。でも、これは彼らの人生であり、プレーヤーズファーストであるべきだと思います。親のモノにしてはいけませんし、過干渉はよくないと思います。子供たちをよく見て、引っ張る・やらせるというよりも後ろから支え、見守ってほしいと思います。

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