Jリーグは世界でどう観られているか。ブラジルでは人気低迷、タイでは高騰中 (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by AP/AFLO

【タイはチャナティップに釘付け】

 そして、中国と並んで最もJリーグの放送の視聴者が多いと言われているのがタイだ。自国リーグの中継はもちろん、プレミアリーグなども人気が高かった同国だが、Jリーグも人気コンテンツのひとつに成長している。

 2017年のチャナティップ・ソングラシン(北海道コンサドーレ札幌、川崎フロンターレ)を皮切りに、ティーラシン・デーンダー(サンフレッチェ広島、清水エスパルス)、ティーラトン・ブンマタン(神戸、横浜F・マリノス)らが次々と日本のクラブに移籍すると、タイ国内でのJリーグの認知度は一気に高まった。

 特に2018年、移籍2年目でリーグ戦8ゴールをあげ、Jリーグベストイレブンにも選ばれた「タイのメッシ」、チャナティップの活躍は、人々の「試合を観たい」という気持ちをかきたてた。身長158cmのチャナティップは、タイのチームにさえ「小さすぎる」と入団を断られたことがあるほど。日本でプレーするにあたっても懐疑的な声は多く、本人はそのたびに傷ついてきたという。そんな評価を打ち破る札幌でのプレーは、胸のすくような気持ちにさせたのだ。

 ちなみにタイでのチャナティップの知名度は、サッカーファン以外の間でも高い。というのも、メイ=ピッチャナート・サーカーゴーンという年上の人気女優との交際で注目されたから。彼女は札幌入団の会見の際にも同席している。ところが、3年の交際を経て結婚寸前というタイミングで、親の反対などもあって破局。一連のドラマ的な展開は国民的関心事だったという。

 有名な女優とスポーツ選手の交際と破局――どこかで聞いたような話だが、そのJリーグ王者、川崎フロンターレへの移籍も、当然ながら大きく報道されている。

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