青森山田とかつての「常勝軍団」国見。驚異的な強さを誇る2校には共通点が多い (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 国見のサッカーが得意としたスピードとパワーで相手をねじ伏せるようなサッカーは当時、「蹴って走るだけ」。時にそんな批判を受けることがあった。静岡学園や帝京長岡などに比べてエンタメ性に欠ける青森山田にしても、似たような見方はあるだろう。

 だが、誤解がないよう記しておかなければならないのは、国見にしろ、青森山田にしろ、ただただフィジカル頼みのサッカーをしているわけではないということだ。技術レベルの高い選手がそろいながらも、うまい選手がうまいだけで満足せず、ゴールを奪い合うというサッカーの本質を突き詰めた強さがそこにある。

 およそ20年前、日本ではまだインテンシティなどという言葉は一般的ではなかったが、国見のプレー強度の高さは明らかに群を抜いていた。

 国見と青森山田。時代は違えど、ともに勝ち続けられるチームを目指す以上、両者のサッカーが似たものになるのは当然のことなのかもしれない。

 そんなかつての常勝軍団を率いた小嶺忠敏監督が、準決勝前日の1月7日、逝去された。

 高校サッカーのレベルアップに尽力し続けた名将は、後進が自らの記録に並んだことをきっと喜んでいるに違いない。

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