42歳で復帰するJ1の舞台。ジュビロ磐田・遠藤保仁が思い描く「最高のシーズン」とは (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • photo by Masashi Hara/Getty Images

 その言葉から察するに、今シーズンはJ1復帰イヤーでの"タイトル"も視野に入れて戦うということだろうか。ガンバ大阪時代の2014年に、Jクラブとしては史上初となるJ1復帰イヤーでの"三冠"を実現したように。

「いや、いや、そこは目指してない。間違いなく今年のジュビロが目指すのは"残留"になると思う。2014年だって結果的に"三冠"はできたけど、正直、最初からそこを目指していたわけじゃないし、現実的に考えて、昇格した初年度に優勝を狙えるほど、この世界は甘くない。

 ただ、残留を目指すなかでも、ジュビロのサッカーってこういうものだよね、というものは定着させたいと思う。契約交渉の場でクラブからは、昨年のサッカーを継続したいと聞いているし、伊藤彰新監督もそれを継承するために呼ばれたはずで......。

 実際、昨年まで伊藤さんが率いていたヴァンフォーレ甲府も、ボール支配率を高めながら攻撃を仕掛けてくるチームでしたしね。その伊藤さんの元で、J2リーグでようやく形になりつつあったジュビロのサッカーをJ1リーグでもブレずに追求して、かつ確実に残留につなげることができれば、一年が終わった時に最高のシーズンだったと言えるんじゃないかな。

 そうなれば、翌年はまた、そのスタイルにあった選手が増えるだろうし、そうやって一年、一年を丁寧に積み重ねていきながら順位を上げていくことができれば、近い将来、かつてのジュビロの黄金時代のような盤石の強さを取り戻せるんじゃないかと思う」

 一方、1月28日には42回目の誕生日を迎える遠藤自身は、プロ2シーズンぶりとなるJ1での戦いがどうなれば、「最高のシーズン」だと言えるものになると考えているのか。

「とにかくたくさん試合に出て、チームに貢献すること。年相応のやり方で、年相応に準備して、年相応の方法で戦う(笑)。無理もしないし、過度な気負いもない。これまでどおり、ありのままの自分を受け入れて、今の自分にできる最大限の力をチームのために発揮することだけを考えます。

 あとは、新しい監督のサッカーを楽しむこと。チームとしてのスタイルが同じでも、監督が変われば求められることは多少なりとも違ってくるし、そのなかでたくさんの気づきとか、サッカーそのものに対する新たな発見みたいなものがあるはずだから。

 それを、自分の体、プレーとうまくリンクさせてピッチで表現することを目指しながらサッカーを楽しみたいと思う。何度も言うけど、年相応に(笑)」

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