第二の三笘薫や旗手怜央になれるか。Jリーグで即戦力が期待される「大卒新人」選手たち (3ページ目)

  • 小室 功●文 text by Komuro Isao
  • photo by Komuro Isao

【各大学から続々とJリーグ入り】

 2021年は前シーズン同様、コロナ禍で延期試合が少なくなく、大会運営が難しかったが、すべての大学が無事にリーグ戦を戦い終えた。

 優勝した流通経済大からは10名の選手がJリーグに進む。開幕前からタレント軍団との評価が高かったが、そのうちの7名がJ1のクラブだ。

 ファイトあふれる右SBの宮本優太と、不動のボランチ・安居海渡が、2021シーズンの天皇杯チャンピオンである浦和レッズへ。エースナンバーの10番を背負った満田誠と幅広く攻守に貢献する仙波大志は、そろってサンフレッチェ広島にUターンだ(共に広島のアカデミー育ち)。そして、攻撃のアクセントとなる菊地泰智と熱血ドリブラーの佐藤響が、サガン鳥栖に向かう。

 14ゴールを決め、1部リーグの得点王に輝いたFWの土信田悠生(駒澤大)は、チームメイトの江﨑巧朗と共にロアッソ熊本を選んだ。

 第96回の全国高校サッカー選手権大会で、悲願の初優勝を飾った前橋育英(群馬県)のメンバーのなかで、大学サッカー界に進んだ面々がそろって最終学年を迎えるとあって、その動向が注目されていた。FWの宮崎鴻(駒澤大)は栃木SC、双子の兄弟であるMF田部井涼(法政大)とMF田部井悠(早稲田大)はそれぞれ横浜FC、ザスパクサツ群馬に内定。そしてFW飯島陸(法政大)はヴァンフォーレ甲府入りする。

また、アンダーカテゴリーの日本代表の実績を持つセンターバックの角田涼太朗(筑波大)は、2021年の夏にサッカー部を退部し、前倒しで横浜F・マリノスへ。すでにJリーグデビューも果たしている。

 立正大からJ1のコンサドーレ札幌に進むMF田中宏武は、特別指定選手としてルヴァンカップに3試合出場。プロ公式戦の舞台を経験した。

 創部100周年の王者・明治大はタイトルを獲れずに悔しい思いをしたが、前述の岡庭を含め、6選手がプロの扉を叩く。

 関西学生リーグに目を転じれば、ガンバ大阪入りが決まっている関西学院大のFW山見大登が2021年8月13日の清水エスパルス戦でJリーグデビュー&初ゴール(しかも1-0の決勝点)をマークするなど、見る者の度肝を抜いた。

 残念ながら、ここで紹介しきれなかった新シーズンの大卒ルーキーは数多い。進化の歩みを止めない彼らが今後どんなストーリーを紡いでいくのか、周囲の関心と期待は高まるばかりだろう。

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