J内定4人を擁する静岡学園、終了間際の悪夢。「筋書きのないドラマ」で国立を前に散る (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

【最後まで貫いた静学スタイル】

 一方で、敗れた静岡学園の川口修監督は試合後の会見で「力不足」という言葉を何度も繰り返した。

「関東第一さんのすばらしい守備力を、我々は上回れなかった。力不足ですし、残念な結果でした」

 終了間際の失点については「今年のチームの課題であるリスク管理不足」を指摘する。

 たしかにリードしている状態であれば、うまく時間を使えばよかったが、静岡学園は最後まで攻めの姿勢を保ち続けた。その判断が隙を与えたことは否定できないものの、それこそが個を磨き、見る者を魅了する"静学スタイル"でもある。最後までスタイルを貫いたという意味では、悔しさこそあっても悔いはないだろう。

 4試合で15得点を奪い、失点はわずかにひとつのみ。質の高いタレントを擁し、相手を圧倒し続けた今大会の静岡学園は、青森山田を逆転で下し、24年ぶりの優勝を成し遂げた2年前のチームと比べても決して見劣りはしない。ベスト8で敗れるには、あまりにも惜しいチームだった。

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