2022.01.05

高川学園が「必殺技」の炸裂などで4強へ。「トルメンタ」などセットプレーだけではない強さの理由

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

「トルメンタ」と称するセットプレーなどを駆使して相手を翻弄する高川学園「トルメンタ」と称するセットプレーなどを駆使して相手を翻弄する高川学園 この記事に関連する写真を見る  多彩なセットプレーを次々に繰り出す高川学園は、2回戦以降も毎試合必ずセットプレーから得点している。

 特に3回戦(vs仙台育英1-0)と準々決勝では、スコアレスで迎えた後半に、いずれも決勝点となるゴールをCKから奪っているのだから、これぞ伝家の宝刀である。高川のセットプレーは、まさに"必殺技"と呼ぶにふさわしい武器となっている。

 とはいえ、「トルメンタ」なるキャッチーなフレーズとともに話題となっている高川学園のセットプレーだが、実のところ、それほどきれいに策がハマっているわけではない。

 最終的にゴールという結果につながっているのは、むしろ、その場の判断によるところが大きい。

 3回戦と準々決勝の2試合連続で決勝ゴールを決めたMF西澤和哉によれば、3回戦のゴールは「CKにヘディングを合わせるために飛び込もうと思ったが、ボールが短かったのでセカンド(ボールを拾うため)の立ち位置をとっていた」。

 また、準々決勝のゴールにしても、CKの場面でニアサイドに3人、ファーサイドに3人がまとまって立ち、ニアサイドの3人が避けたスペースにファーサイドの3人が走り込むというトリックプレーを用意していたというが、「ニアが空いていなかったので、そのままファーに残っていたらボールが来るかもしれないと思った」(西澤)。

 一見、してやったりのゴールも、事前にデザインしていたセットプレーがうまくいかず、とっさの判断でプレーを変更した西澤の元へとボールがやってきた結果だった。

 今大会で見られる高川学園の強さの本質は、漫画チックな必殺技よりも、選手が自分たちで考え、自主的にプレーを選択していることにあるのだろう。