Jリーグ引退する人、続ける人。中村憲剛&佐藤寿人からのエール「ヤットさんはいつまでもできるぞ」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Sponichi/AFLO

 監督は代わりましたけど(木山隆之→手倉森誠)、浦和のように監督の意図を汲んだ補強もできなかった。もちろん、予算が限られているところはありますけど、現場とフロントがうまくつながりを持てないと、チームとしての最大値を大きくするのは難しいのかなと。

---- 徳島ヴォルティスは1年でJ2に戻ることになりました。

中村 徳島に関しては、コロナの影響でシーズンインのタイミングに新監督(ダニエル・ポヤトス)が来日できなかったことが痛かったと思います。

 もちろん、新監督とオンラインで打ち合わせをしながらチーム作りはしていたと思いますが、実際に来日して直接指導するとなると、雰囲気を含めてさまざまなところが変わってくると思います。お互いを理解し、チームを軌道に乗せるのに時間はかかったと思います。ようやく勝てるようになってきた矢先の降格でしたから。

佐藤 ガンバも一時期、危なかったですからね。やっぱり、コロナの影響を受けたチームにとっては難しいシーズンだったのは間違いないですよ。

中村 相当難しいと思いますよ。一回、完全に止まったところからまた走り出すのは。その影響で夏場にかなりの連戦になってしまいましたし。

佐藤 勝っていればいいですけど、勝てない時の連戦は地獄ですからね。

中村 そう、悪くなったら歯止めが利かなくなるから。

---- 昨年おふたりが引退したように、今年も大久保嘉人選手(セレッソ大阪)、阿部勇樹選手(浦和レッズ)、玉田圭司選手(V・ファーレン長崎)とJリーグの顔と言えるような選手たちが現役を退きました。彼らの決断をどう受け止めていますか。

中村 自分たちはもう先に辞めていますからね。寂しいというよりも、「お疲れ様でした」と言いたいです。僕らも引退するまではそっち側でしたが、残されるほうがよっぽど寂しいんですよ。なので、彼らからすれば、僕らが先に行ったことのほうが寂しかったと思います(笑)。でも、みんな本当によくやったと思いますし、彼らとこれからの日本サッカーを盛り上げていけるという楽しみもあります。

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