中村憲剛と佐藤寿人が2021シーズンを振り返る。「J1でもJ2でも個々の能力はそこまで大差はない」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

---- 終盤戦の勝負強さは、一時期の鹿島アントラーズのようなしたたかさを感じましたよね。

佐藤 僕も広島時代に4年で3回優勝を経験しているんですけど、継続して勝ち続けるためには、チームがいいサイクルで進んでいかないとできないこと。4年経てば選手も入れ替わるし、残っている選手も4つ歳を重ねるので、プレーヤーとしてのピークも変わってくる。

 でも、フロンターレは憲剛くんが引退しても、主力が抜けても、5年間で4回も優勝した。それはクラブが正しいサイクルを歩んでいるからこそで、このタイトルがもたらす意味はすごく大きいと思いますね。

---- レアンドロ・ダミアン選手がMVPに輝きましたが、憲剛さんが私的MVPを挙げるとすると誰になりますか?

中村 個人的には(GKチョン・)ソンリョンにあげたいですね。夏場以降は先に点を取られる試合が増えて、さらに追加点を取られそうなシーンもあったんですけど、そこで彼が防いで難しい展開にしなかったことで、後半の逆転につなげた試合が多かったんです。

 ビルドアップも加入初年度に比べると、かなりレベルアップしている。もう36歳になりますが、自分が成長するための努力を続けた成果だと思います。

---- 5年で4度の優勝はまさに黄金期と言ってもいいと思いますが、そうなると次はアジア制覇がターゲットになりますね。

中村 そうですね。寿人が言ったように、今年はACLを強く望んでいたと思うので。

佐藤 解説をしていた憲剛くんのショックも伝わってきましたよ。あのあと僕も(OBである)グランパスのACLの解説をして、負けた時にこういう気持ちだったんだと理解しましたね。

中村 ああいった反応をしてしまったのは、解説者としての反省ですね(笑)。解説するほうでもかなり悔しかったので、当事者の選手・スタッフはそうとう悔しい試合だったと思います。

 あの悔しい敗退は、ACLに対する気持ちをより強くしたと思います。やっぱり、次のステージに上がるためには、ACLを獲ってこそだと思うんですよね。国内ではある程度評価してもらえているので。そこは来年に期待ですね。

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