強豪校による好カード続出の高校サッカー選手権。各校の注目選手、戦力やスタイルは? (4ページ目)

  • text&photo by Matsuo Yuki

土屋 インターハイで流経大柏との2回戦を見たんですけど(大津3-0流経大柏)、僕のなかで一番インパクトがありました。流経大柏の榎本監督も「大人と子どもぐらい差があった」とおっしゃっていました。それぐらいの差を見せつけて勝ったのはすごい。とにかくめちゃくちゃ強いですし、いい選手だらけですね。

松尾 しかも、今年は点が取れますよね。

森田 それは昨年の反省があるからこそ。いい年に限って負けることも多い。昨年も本大会に出ていれば優勝候補でしたから。なので、今年は勝つための飛び道具も必要と考え、両サイドバックがロングスローを投げられるんですよ。セットプレーをしっかりやれるのも今年の強みです。

松尾 真ん中に191cmの小林俊瑛がいるのも心強い。最後はそこで仕留めきれます。

土屋 個人的に実現してほしいカードは、秋田商と山梨学院の試合です。勝ち上がれば、山梨学院の長谷川大監督にとっては母校との対戦。秋田商で選手権に出て、監督もやっていたので見てみたいですね。

 前回優勝の山梨学院は今年苦しんでいましたが、予選決勝を見た時に負けないチームだと思いました。延長に先制を許しましたが、最後の最後に茂木秀人イファインが同点ゴールを決めてPKで勝ちました。2021年は、昨冬の選手権準決勝の帝京長岡戦、決勝の青森山田戦。今回の選手権予選では準々決勝の帝京第三戦と決勝の韮崎戦。すべてPK戦は勝っているんですよね。全部キッカーが最後に決めて勝っているんですが、その最後のキッカーはすべて谷口航大。PK戦でこれを決めれば勝ちという場面で、谷口が出て来れば勝てるという雰囲気がある。

 また、長谷川監督がすごいなと思うのは、そういうのを選手に信じ込ませる力がある。決勝が終わったあとに、苦しんだ試合を振り返ってまずは守備の選手に感謝しないといけないという話をしていました。そういうのを適時というか、ここぞという場面で言える監督。監督力がすごいですね。

森田 あと、このブロックは東福岡もいます。

松尾 鳥栖U-18から5月に移籍してきた浦十蔵が、今大会から出場できます。今年のチームは苦戦をしていましたが、これで変わるかもしれないですね。

森田 浦は速い。「頑張って守って、あとは大渕来珠と浦、頼んだ」。東福岡なのにこれを割りきってできるのはすごい。

松尾 今年は伝統のサイド攻撃をベースにしていなくて、まずは守りから入るチームですよね。あと注目したいのは、予選で攻撃の切り札を担っていた大渕選手の起用法ですよね。

森田 スタートから使ってくるような気がします。守備を頑張るようになってきたので、スタートから起用しても問題ないと思います。ただ、ここもすごいブロックなのは間違いありません。

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